ドイツの町を訪れたくなる要素としては、やはり中世からの旧市街地
(アルテシュッタット)を、生活の中で美しく維持し続けて来た国民性が、他の欧
州の国に比べて優れているからではないでしょうか。
それで中世的な雰囲気を醸し出す要素として、町の防御設備としての市
壁に注目し、その残延長・残存割合・門や塔の数の大きい町を、訪れるべ
き貴重な町として、市壁のある町825の中から上位50程度をリストアップ
しますので、これらの貴重な町を訪れて見て頂きたいと存じます。
それ以下の点数の町でも、近所を通るついでに寄って見れば、それなり
の満足が得られるのは間違いありません。
市壁のある町について、市壁残存延長・市壁残存割合・門や塔の数・
町の見所・の四要素を、別記「換算法」により数値化して集計して総合得
点を算出し、その825の町の大きい方から14点で59位までの町7%を、訪れ
るべき貴重な町として表示しました。
得点 | 19-14 | 12-14 | 7-11 | 2-6 | 計 |
町数 | 59 | 61 | 269 | 336 | 825 |
割合 | 7% | 8% | 45% | 40% | 100% |
20点満点で、最高が19点、12点以上が15%、11点以下は85%と大部分です。
14点以上がいかに貴重かはご理解いただけると思います。
下表の「町の名前」をクリックすると、その町の歴史・市壁・門や塔・見所・写真・
略図についての説明が見られます。
この総合得点の表で上位1から9位の内一つを除いて、全てバイエルン州にある。
また、総合得点の貴重な町全体の半分以上(59の内30)がバイエルン州である。
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この図で、総合得点からの貴重な町は、①メルフェン街道、②ライン川沿い、
③ヴュルツブルク周辺、④フランクフルトから北西方向、にまとまって存在します。
また、貴重な町全体の半分以上がバイエルン州にある。
従って、ミュンフェン空港でナビ付のレンタカーを借りて数日あれば、貴重な
町の多くを訪問できます。
現存する市壁の長い方から、市壁延長1.3km以上残っている町について、
貴重な町として825の内52をランキング表示します。
バイエルン州とブランデンブルク州の町がランキングにやや多い。(km)。
壁長 | 4-3 | 2.9-2 | 1.9-1 | 1-0.1 | 0.1下 | 計 |
町数 | 7 | 12 | 71 | 272 | 454 | 825 |
割合 | 1% | 2% | 9% | 33% | 55% | 100% |
残っている市壁の最長は3.96km、2.0km以上で19の町3%、1.0km未満が88%、
100m未満が55%です。貴重な町として約50の町を選ぶとすると、1.3km以上の
町52で全体825の6%となります。
下表の「町の名前」をクリックすると、その町の歴史・市壁・門や塔・見所・写真・
略図についての説明が見られます。
得点はちょっと低いが市壁長は長い町として、3km超でDahme・Ruehthen、2km超
でSoest・Juelich・Neuruppin・Akenが登場しました。
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この図で、残った市壁延長からの貴重な町は、総合得点よりも広く散在し
ていますが、やはりバイエルン州には3割が在ります。
市壁の全周の内、残存している部分の割合が高い町から、50程度の町を選
ぶとすると、9割以上残る町52が6%の貴重な町となります。
全周が残っている市壁残存率1.0の町は、当然1車線交互通行の狭い門も残さ
れ、市壁内の旧市街地も古色が漂っています。1.0の町を訪れるとよくぞ残さ
れたとの感慨がわきます。
市壁残存率もバイエルン州の町がランクキングの4割を占めます。
市壁残存率の高い町は、市壁の全長が小さい傾向があり、これまでのランキ
ングとは町の顔ぶれが変わってきています。
壁率 | 1.0 | 1.0-0.7 | 0.7-0.3 | 0.3-0.1 | 0.1下 | 計 |
町数 | 11 | 101 | 218 | 237 | 258 | 825 |
割合 | 1% | 12% | 27% | 29% | 31% | 100% |
全周の市壁が残っている町は825の内11で1%しかなく非常に貴重です。
逆に市壁の残存率0.1未満が31%、0.3未満で60%と、低い方に偏っています。
市壁が半分0.5以上残っている町は、1/4しか有りません。
下表の「町の名前」をクリックすると、その町の歴史・市壁・門や塔・見所・写真・
略図についての説明が見られます。
得点はやや低いが市壁全長が1km未満の町で市壁の全長が残っている町が、
StadtBlankenberg・Wolframs・Dilsburg・Kirchberg・vellberg・Sesslach・BesseEdermuende
とあり、殆ど残っている町がCreussen・Ornbau・Ferchtenberg・Ach・Hornbach・Sommerhausen
もリストに出現した。
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この図で、残った市壁の割合からの貴重な町は、残存割合の高い小さな町
が加わって、バイエルン州が4割となったため南に偏って来ました。
市壁のある町に現存する門や塔の数が多い方から、50程度の町を貴重な町
として選ぶとすると、門や塔の数が9以上の町が53あり6%に相当します。
門や塔の数には、基部のみの物や高さが変わった物もあり、民家の中に取り
込まれた物もあります。門や塔の数さえ多ければよいのですから、新しい町が
現れます。
壁率 | 71 | 37-31 | 25-11 | 10-1 | 0 | 計 |
町数 | 1 | 3 | 17 | 598 | 191 | 825 |
割合 | - | - | 2% | 72% | 23% | 100% |
現存の門や塔の数が最大の町は、飛びぬけてニュルンベルクが71と大きく、続い
て30台の町が3と20台の町が3と10台が35とここまでで42(5%)です。
逆に市壁は有るが門や塔のない町が23%あり、5未満の町が85%と、門や塔が
5もある町は珍しいのです。
下表の「町の名前」をクリックすると、その町の歴史・市壁・門や塔・見所・写真・
略図についての説明が見られます。
この表で、門や塔の数のから貴重な町の首位から10位の内8はバイエルン州に
あり、貴重な町全体53の過半数はバイエルン州にある。
門塔の数が突出しているために出現した町としては、Mainbernheim・Kitzingen・
Pfedersheim・Frickenhausen・Rees・Andernach・Sesslach・Ravensburg・BadOrbがある。
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この図で、残った門や塔の数からの貴重な町は、よりバイエルン州に集中して
半数を超え、南に南に偏って来ました。バイエルン州ヴュルツブルク周辺は拡大図が必
要な程です。
上記①~④の全ての項目でランクされた全て貴重な町は8あります。
貴重な町の中の最上級ですから、ドイツ旅行から外す訳にはいきません。必ず
訪問の町に入れましょう。
下表の「町の名前」をクリックすると、その町の歴史・市壁・門や塔・見所・写真・
略図についての説明が見られます。
州名 | 町 名 | 総得点 | 市壁長 | 壁残率 | 門塔数 | 見 所 |
BY | バルヒング | 19 | 1.40 | 1.00 | 17 | A |
BY | ローテンブルク | 18 | 3.20 | 1.00 | 35 | B |
BY | ミュールハウゼン | 17 | 2.66 | 0.90 | 15 | B |
BY | ネルトリンゲン | 17 | 2.60 | 1.00 | 13 | B |
BY | ディンケルスビュール | 17 | 2.35 | 0.98 | 19 | C |
BY | クサンテン | 16 | 3.00 | 0.98 | 10 | C |
BY | ハイディングスフェルト | 16 | 1.44 | 0.92 | 19 | C |
BY | バードノイスタット | 16 | 1.42 | 0.97 | 10 | C |
BY | ||||||
BY | ニュルンベルク 特 | 19 | 3.80 | 0.75 | 71 | A |
最後のニュルンベルクは、残壁率は低いですが、町が大きく市壁長3.8kmと門塔数71
が高いため特に加えました。